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2024/12/27

見た筈である、漆黒の鴉は海の方より戻り来たれば/高木佳子

 見た筈である、漆黒の鴉は海の方より戻り来たれば/高木佳子

『桜前線開架宣言』より

まだそんなに短歌を読んでなかった数年前、短歌誌に載っていた
彼女の歌を読んで、何かに急き立てられるように、 駆られるように
歌集を買った。でもきっと私は何も理解していない。
彼女の、そこに住む人々の、胸の内にあるもの。
私は無知で無力で打ちのめされる。




2024/12/14

点線に沿って切り取るかなしみのこの人もまた味方ではない/松村正直

 点線に沿って切り取るかなしみのこの人もまた味方ではない/松村正直

『桜前線開架宣言』より

何だか心がざらつく歌。かなしみはそんな簡単に
切り取れるものだろうか。この人も「また」。敵味方で考えるなら、
本当の味方なんているんだろうか。小さく裏切って裏切られて、
持ちつ持たれつなんじゃないのか。点線に沿って、が難しいな。
割り切ろうとしてる?


2024/12/11

かみくだくこと解釈はゆっくりと唾液まみれにされていくんだ/中澤系

 かみくだくこと解釈はゆっくりと唾液まみれにされていくんだ/中澤系

『桜前線開架宣言』より

ああ凄いね。私がこの歌の感想を書くこと自体が
「唾液まみれに」していく。自分の意図しないところへ。
かみくだくことでゆがんで、唾液まみれにされて
いいように飲み込んでいく。吐き出されたとしても、
もうそれは元の形を成してない。自分の事さえ曖昧になる。


2024/12/08

イヤフォンが外れてゐると気づかずにしづかな朝を味はつてゐた/大松達知

 イヤフォンが外れてゐると気づかずにしづかな朝を味はつてゐた/大松達知


『桜前線開架宣言』より

何か作業をしながら、気づけば朝で、しんとした朝の空気に
身を置いている。いつの間に外れていたのか、
無意識に外してしまったのか、分からないくらい集中してたのかな。
眠れずに、ただぼんやり…もあるかな。イヤフォンで遮断した
内と外の世界が繋がっていく。


2024/11/26

つれづれに読む広辞苑 〈原子力発電〉のつぎに〈原始林〉あり/大松達知

 つれづれに読む広辞苑 〈原子力発電〉のつぎに〈原始林〉あり/大松達知

『桜前線開架宣言』より

思わず確認しちゃった。つれづれに、が効いてるよねえ。
ふと目に飛び込んできて、はっとする。ただの並び順なんだけど、
何だかそこに意図があるように感じてしまう。
心の持ちようって凄いな。うまく説明できないな。
無から有を勝手に見出して考えてしまう。でも気付きでもある。