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2025/10/07

[今日の短歌/道浦母都子]顔上げて生きてゆかねば 夢にさえきいんと冷たき水仙の喉

 顔上げて生きてゆかねば 夢にさえきいんと冷たき水仙の喉/道浦母都子

現代の歌人140より

読み終えたとたん、水仙が頭をもたげた人(自分?)に見えてくる。
でも夢にさえってどういうこと?生きてゆかねば、と、冷たさが、
遠いところにあるように思える。こんな冷たい世の中で、
ということだろうか。きいんと、という刺すような擬音が
自分を苦しめてる感じがする




2024/11/18

泡立てしシャボン溢るる手の平におぼれもせずに顔洗うひと/梅内美華子

 泡立てしシャボン溢るる手の平におぼれもせずに顔洗うひと/梅内美華子

現代短歌の鑑賞101より

おぼれてしまう人もいるのかな?と一瞬錯覚してしまうけど、
おぼれてしまいたいという自分の願望かな。
洗い流す=水に流すより、いっそおぼれて消えてしまいたい。
水の泡にも掛けてる?シャボンの泡で逃げられない、
おぼれることもできない。苦悩や後悔?難しいな。


2024/11/16

ほんとうに若かったのか 噴水はゆうやみに消えあなを残せり/吉川宏志

ほんとうに若かったのか 噴水はゆうやみに消え孔(あな)を残せり/吉川宏志

現代短歌の鑑賞101より

若さと幼さの違いかな。若気の至り、みたいな。何か違うな…。
水の止まった噴水。何だろうな。ゆうやみの暗さ。もう戻らない
キラキラとした時間。あれ?違うか。 若かったのに、
何もしてこなかったという後悔?自分の中にある噴水。
何に対する疑問だろう。難しいな。


2024/11/14

うたがはぬ力授かり生まれし君らに母といふ泥の床/辰巳泰子

うたがはぬ力授かり生まれし君らに母といふ泥の床/辰巳泰子

現代短歌の鑑賞101より

幼い子にとって、母は世界だ。いつしか母も一人の人間と知る。
泥の床。体内から生まれたという生々しさと、けっして
落ちることなく足もとに広がるぬかるみ。ああそうか。
最初に疑う人間は母か。そこから泥の床へ。母は呪縛だと思うのは、
私が良い母でも子でもないからだろうな。


2024/11/12

裏切つてしかも生くるが愉しみよあなたもきつとさうだとおもふ/紀野恵

 裏切つてしかも生くるが愉しみよあなたもきつとさうだとおもふ/紀野恵

現代短歌の鑑賞101より

上の句で、何て怖いことを言うんだと思いながら
下の句に入ると、まっすぐ読み手の私に指を差してくる。
いやそんなことはとうろたえながら、本当に?と心の奥の自分が囁く。
人は小さな裏切りを繰り返しながら生きてるのかも。
裏切られても生きてゆく。生きるって難しいね。


2024/11/10

今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海/俵万智

 今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海/俵万智

現代短歌の鑑賞101より

慰めを得る為に行った海、と読んだけど、
書きながら突き放されてるかも?とも思う。
海なら受け入れてくれそうな気がするという人間の都合と、
そんなのは聞きあきたという海。結局は虚しさだけがつのっていく。
海の広さが自分の心を暴いていく。自分と向き合う。


2024/11/08

ああいつた神経質な鳴り方はやれやれ恋人からの電話だ/荻原裕幸

 ああいつた神経質な鳴り方はやれやれ恋人からの電話だ/荻原裕幸

現代短歌の鑑賞101より

携帯電話のなかった時代は、こういう勘がよく当たっていたような気がする。
考えてみればかけてくる相手や時間で予測してたんだろうけど。
何かいいね。今なら誰か分からない電話は煩わしいかも。
神経質に聞こえてしまう電話の音。やれやれの期待と気まずさ。
喧嘩中だよね。


2024/11/06

水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ鳥が眠っている夜明け前/穂村弘

 水銀灯ひとつひとつに一羽ずつ鳥が眠っている夜明け前/穂村弘

現代短歌の鑑賞101より

何だか懐しい風景だ。私の中の、思い出の景色。
海沿いの町のあの橋の街路灯にはいつもカモメが止まっていた。
 夜もそこで眠ってるわけではないだろうに、夜明け前はきっと
こんな感じなんだろうなって思う。チラつく水銀灯と迎える朝と。
今の時代に読むからノスタルジックに感じるのかな。


2024/11/04

鳥のため樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに/大塚寅彦

 鳥のため樹は立つことを選びしと野はわれに告ぐ風のまにまに/大塚寅彦

現代短歌の鑑賞101より

ああ、凄いね。物語だ。この一首の世界に入りこんで、
私は野に立ってこの樹を見上げてる。ここでは風の声も樹の声も
鳥たちの歌も理解できそうな気がする。そして私は
どうしてここに立っているんだろう。ひとりぼっちで野に立って、
私は何を選んだんだろう。間違ってばかりだ。


2024/11/02

秋の陽をあまねく容るる窓の辺に紙を揃ふる手かしろく見ゆ/大辻隆弘

 秋の陽をあまねく容るる窓の辺に紙を揃ふる手かしろく見ゆ/大辻隆弘

現代短歌の鑑賞101より

下の句が難しい…。幻みたいだよね。幻なのかな。何だろうな。
紙の白さなのか手の白ささなのか。秋の夕暮れで少しまどろむような
風景を思った。うまく表現できないな…。距離感?
秋の陽がどこか自分を遠くへ追いやるような。
不意に現実感があやふやになる。何言ってるんだろ。



2024/10/31

とけかけの氷を右にまわしたりしずめたりまた夏が来ている/加藤治郎

 とけかけの氷を右にまわしたりしずめたりまた夏が来ている/加藤治郎

現代短歌の鑑賞101より

気怠い感じがいいねぇ。閉塞感。「来ている」という進行形。
自分だけが置いていかれるような。とけかけの氷が自分自身に
重なっていくような。氷の音が聞こえてきそうな静けさ。
もう何年もここにとどまってるような…うん。閉塞感。
でも夏の明るさ暑さがあって悲壮感はない。


2024/10/29

〈女は大地〉かかる矜持のつまらなさ昼さくら湯はさやさやと澄み/米川千嘉子

 〈女は大地〉かかる矜持のつまらなさ昼さくら湯はさやさやと澄み/米川千嘉子

現代短歌の鑑賞101より

私自身はそういうものだと何も考えずに受け入れてきたけど、
この年になって色々間違ってたんじゃないかなと考えることも
増えた。間違ってたというか、無知だった。それでもきっと
この歌の「つまらなさ」を私は理解できてない。
「さ」の音が私に何かをたたみかけてくる。



2024/10/27

おもむろにまぼろしをはらふ融雪の蔵王よさみしき五月の王よ/川野里子

 おもむろにまぼろしをはらふ融雪の蔵王よさみしき五月の王よ/川野里子

現代短歌の鑑賞101より

まぼろしと融雪の近さよ。蔵王といえば樹氷で、
でも五月となれば雪景色は遠くまぼろしめく。雪融けとともに
訪れる春の「さみしき五月」。蔵王の「王」がその山々を
思わせて素敵だ。おもむろに、がいいよねぇ…。
また季節は巡る。季節の変わり目のさみしさと期待。


2024/10/25

白鳥はおのれが白き墓ならむ空ゆく群れに生者死者あり/水原紫苑

 白鳥はおのれが白き墓ならむ空ゆく群れに生者死者あり/水原紫苑

現代短歌の鑑賞101より

水原さんの歌は私には難解すぎる…。でもわからないままに
しておくのが何だか悔しいので、いつも頑張って読んでる。
いつも感じるのは、情景が白いな、ということ。何者にも
染まらない、というよりは、読み手の私がどう染めるのか
試されてる感じ?ええ…言葉選びが下手すぎる…。



2024/10/23

生きいそぐ一語はげしきラボの椅子喜連川きつれがは博士われを非難す/坂井修一

生きいそぐ一語はげしきラボの椅子喜連川きつれがは博士われを非難す/坂井修一

現代短歌の鑑賞101より

ラボとか博士という言葉に、自分とは違う世界のように感じてしまう。
研究者との科学者とか、自分が想像する上司や部下と違うんだろうな、
とか、生きいそぐ、に、 鬼気迫る感じがする、とか、何だか
ズレたことしか思い浮かばない。知らない世界を覗き見ている。


2024/10/21

柿の朱は不思議なる色あをぞらに冷たく卓にあたたかく見ゆ/小島ゆかり

 柿の朱は不思議なる色あをぞらに冷たく卓にあたたかく見ゆ/小島ゆかり

現代短歌の鑑賞101より

そう言われると、そんな気がしてくる。柿の木になじみがなくて、
どうやって実がなるのかなとググッてみてなるほど。
葉が落ちても実がついてるので寒々しい感じがするね。
卓にあたたかく見えるのは、家庭があたたかいからかな。
木も実も身近にあるからこその気付き。


2024/10/19

かずかずのはるかさに生きるものたちよ 椰子の木 雨 そして飛行船/井辻朱美

 かずかずのはるかさに生きるものたちよ 椰子の木 雨 そして飛行船/井辻朱美

現代短歌の鑑賞101より

どの歌もわからないのにそれらの歌の世界観に惹きつけられる。
空想の世界は時に外へとリンクする。誰にも犯されない空想の世界を、
誰もが持っている。こんなに美しい世界が、どうして私には
見えないんだろう。結句に向けて視線が上がる。
同じ空を見れるといいな。


2024/10/17

天敵をもたぬ妻たち昼下りの茶房に語る舌かわくまで/栗木京子

 天敵をもたぬ妻たち昼下りの茶房に語る舌かわくまで/栗木京子

現代短歌の鑑賞101より

何となく、自分は違うぞと思いたいのか、自分より年上の奥様を
想像しちゃう。でも女三人寄れば姦しいと言うし年は関係ないよねえ。
天敵をもたぬってどうなんだろう。嫌味かなと思うけど。
話してる本人たちは楽しいんだろうけど、
あまり良くない話だろうなと思ってしまう。


2024/10/15

足長のものならグラスも馬も好き階段のぼる恋人はなお/松平盟子

 足長のものならグラスも馬も好き階段のぼる恋人はなお/松平盟子

現代短歌の鑑賞101より

恋の歌は苦手だけど、この歌は推しを見るような気持ち?
一段高いところではあるんだろうけど、グラスや馬と同じ場所に
恋人があるのが面白いよね。本当に足長の恋人なのか、
恋人だから足長に見えるのかも気になるところ。
馬のせいか、恋人が白馬に乗った王子様にも見えてくる。


2024/10/13

負けたくはなしなけれども樹に登りこの世見おろしたることもなし/今野寿美

 負けたくはなしなけれども樹に登りこの世見おろしたることもなし/今野寿美

現代短歌の鑑賞101より

そういうものだよねえ…。自分との戦い、でも他者がいて、
その他者を蹴落としたいわけじゃない。何かを成し遂げるって
終わりがないのかもしれない。負けたくはないと思うほどの
何かがあるのは羨ましいな。私はすぐ諦めちゃう。
でも自分に負けないようにこの歌を心に置こう。