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2025/07/12

「ただ過ぎに過ぐるもの」 いえ ずしずしとわれに来て降り積もれるよはい/山埜井喜美枝

 「ただ過ぎに過ぐるもの」 いえ ずしずしとわれに来て降り積もれるよはい/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

そうなんだよねぇ…。これからの時間は減る一方なのに
齢は本当にずしずしと積もっていくのよ…。
それじゃあいけないのだけど。
われに来て、が、自分だけ取り残されてる感じがする。
誰もが年を取っていくのに。
ああでも自分はただ過ぎるものにしないという信条かも。


2024/12/26

鳥も獣も身を寄せあひて棲む胸に冬きはまれば立つ一木あり/藤井常世

 鳥も獣も身を寄せあひて棲む胸に冬きはまれば立つ一木あり/藤井常世

現代短歌文庫より

人の内面て難しいね。冬にだけ立つ木なんだろうか。
私は雪の積もった針葉樹が思い浮かんだよ。冬の厳しさが立つ
一木の強さ?何か違うな…。意志の強さみたいに感じたけれど、
冬の寒さにくじけそうになってる?うまく言語化できなくて
酷い文章だ…。身を寄せあう、も良い。 




2024/11/19

人はみな霧のごとくに過ぎゆきぬ白木蓮の花咲きにけり/山埜井喜美枝

 人はみな霧のごとくに過ぎゆきぬ白木蓮の花咲きにけり/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

命の短さかなぁ。短さというか、はかなさ?
いつかは訪れるものなのに、突然と思ってしまうよね。
霧のごとくに、のかすんでゆくような景色と、
ふと気付けば咲いている白木蓮との間に流れる時間。
自分の感情が追い付いていかない。白木蓮の白さが眩しい。


2024/10/05

紅葉(こうえふ)のあかさに堪へず狂ひゆく風も地の面(も)も古りしこの身も/藤井常世

 紅葉(こうえふ)のあかさに堪へず狂ひゆく風も地の面(も)も古りしこの身も/藤井常世

現代短歌文庫より

この内側から湧き出てくる感情は何だろう。錯乱。
冷静さを失わずに狂いゆくような、静けさと激しさが同居してる。
紅葉のあかは怖い。乾いた空気、枯れ葉が風に舞う音。
秋は閉ざされてゆくような、終わりへ向かうような淋しさがある。
狂ひゆくって凄いな。内にあるもの。


2024/09/23

来世などあるべくもなしうつし世は天の花降るけふの日大事/山埜井喜美枝

 来世などあるべくもなしうつし世は天の花降るけふの日大事/山埜井喜美枝

現代短歌文庫 山埜井喜美枝歌集より

私は今日を大事に生きてないなと反省した。
何だか年々雑になってるような気すらする。
人生に遅すぎることはないと言うけど、どんどん身体と気力が
ついていかなくなるし、できるうちに動いた方がいいよね…。
来世があるとは私も思ってないけど、この歌みたいに生きられるかな。



2024/09/13

灯にひかる夜の雨脚も見たるのち少し満ちたる心にて眠る/藤井常世

 灯にひかる夜の雨脚も見たるのち少し満ちたる心にて眠る/藤井常世

現代短歌文庫より

静かな雨だねえ…。雨脚も、の「も」が気になる。
少し満ちたる、の満たされない感じが上の句をより美しく
幻想的にしてるなぁと思う。一日の終りを暗いままで終わらせず、
前向きに、明日のためにしていく。思いがけず心に灯る。
雨脚が砂時計みたいだ。

2024/07/07

言ひ募ることばつぶつぶひまはりの芯に焦げつくわが思念ある/藤井常世

 言ひ募ることばつぶつぶひまはりの芯に焦げつくわが思念ある/藤井常世

現代短歌文庫より

わーっと言い放ったんだとしても。その言葉一つ一つに思念がある。
言動って、生き様が表れるんだと思う。
根底にあるものは、気付かれないかもしれないし、
知らぬ間に落としてるかもしれない。
あれ?焦げつくってそういうことじゃないかも?
ちょっと分からなくなってきた…。




2022/11/22

ひとつづつ灯り消えゆき晩年といふ闇をゆく旅人かわれ/山埜井喜美枝

 ひとつづつ灯り消えゆき晩年といふ闇をゆく旅人かわれ/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

こうやって年を取っていくのかな。出来ることが出来なくなって、
親しい人との別れが増えて。やっぱり闇なんだろうか。
確かに明るくはないかもしれない。それでも進んでゆくんだ。
その先が闇であっても旅人でいたい。人間の尊厳かな。
どうして彼女はこんなに美しいんだろう。


2022/11/11

早馬に駆けぬけゆきし四十男しじふをとこチェーホフ、漱石、三島、寺山/山埜井喜美枝

早馬に駆けぬけゆきし四十男しじふをとこチェーホフ、漱石、三島、寺山/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

そっかぁ。漱石も四十代だったか。何て言うか、四十代って
死が近いなって急に思うよ。まだ寿命には遠いけど、
夭折と言う程若くもない気がする。この死が近いという感覚は、
どう言えば伝わるんだろうな。まだまだ若いよね。
駆けぬけてゆく人ばかりだ。


2022/10/25

もう何も飾ることなき白髪の乱るる髪にさす月のかげ/山埜井喜美枝

 もう何も飾ることなき白髪の乱るる髪にさす月のかげ/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

もの悲しい雰囲気があるのに、美しく、力強さを感じるのは、
重ねてきた歳月を思うからかな。一人の淋しさ、 この先のこと。
髪の毛を整える気力もないのかもしれない。月明かりと白髪が重なる。
月のかげは柔らかくて、きっとまっ暗ではない。人生の道標だなぁ。


2022/08/05

幼児のごとはつたりと転びたり後期高齢者の具体例とし/山埜井喜美枝

 幼児のごとはつたりと転びたり後期高齢者の具体例とし/山埜井喜美枝

現代短歌文庫 山埜井喜美枝歌集より

何だか可愛らしい、お茶目さんだ。
子供とお年寄りの転び方が同じとは思えないけど、何もないところで転ぶよね。
人類の進化の絵みたいに、転んだのが子供から老人に変わっていくみたいでおもしろかった。
気持ちが若いんだろうな。こんなふうに齢を重ねたい。

2021/12/23

生みたがらぬ若者ら群れ死にたがらぬ老い人の殖ゆ虚空みつ大和/山埜井喜美枝

生みたがらぬ若者ら群れ死にたがらぬ老い人の殖ゆ虚空みつ大和

どこからが余生残生抜けやらぬ風邪に着重ねて花の下ゆく

西行の死に時ならむ月もよし染井吉野の花八分咲き/山埜井喜美枝

歌集『はらりさん』 より

連作「月もよし」より。
旧仮名は苦手だけど、ゆっくり読み進めたい。
表現が豊かだ。美しい日本語。

2021/11/19

「サウイフモノニ」私はなりたくない 故に賢治も夏の暑さもきらひ/山埜井喜美枝

 「サウイフモノニ」私はなりたくない 故に賢治も夏の暑さもきらひ/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

あの詩に反発を覚えて宮沢賢治を嫌いだというのは分かるが、
夏の暑さは完全にとばっちりではなかろうか。
思わず雨ニモ負ケズを読んでしまった。暑苦しい感じがするのかな。
おそらく元々暑さも苦手だったんだろうけど、
関連付けて思い出す何かがあるのかも。


2021/11/06

卵粥、韮粥、茶粥、かゆ腹にこたふる秋の風邪のしはぶき/山埜井喜美枝

 卵粥、韮粥、茶粥、かゆ腹にこたふる秋の風邪のしはぶき/山埜井喜美枝

現代短歌文庫より

「しはぶき」が分からなくて調べた。咳のこと。
何となく秋の風邪って乾燥と相まってしんどいイメージだ。
乾燥の咳も混じる感じ。この歌は風邪が長引いて辛い様子が
伝わってくる。かゆ腹という表現を初めて知る。
韮って消化悪くないのかな。中華粥なのかな。